地味で無害そうなのに触ると危険な海底生物(有毒)

安全そうに見えるが、実際には毒がある海底の動物を4種ご紹介しよう。

1.ナマコ

【有毒のナマコ】

(via wikimedia)

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ナマコはいかにも無害そうだが、危険にさらされるとキュビエ器官という白い糸状の組織を放出する種がいる。これを使って、ナマコを襲おうとした魚やカニなどの動きを封じるのだ。

【糸状のキュビエ器官を放出するナマコ】

(via wikimedia)

これらの糸には大量の粘液が付着しており、ホロツリンという毒を含むことがある。この粘液が皮膚に触れると、焼けるような痛みがあり、眼に接触すると失明しうる。

またナマコは珍味としても知られるが、調理する際にこのキュビエ器官を取り除かないと、食中毒を引き起こす可能性がある。

【ナマコの油炒め】

(via wikimedia)

日本でよく食べられているマナマコはキュビエ器官が無くて安全だが、よく似た見た目で毒を持つ種もいるので、見分けが付かないなら触らないほうが良いだろう。

2.海綿

【毒を持つカイメンの一部】

(via Usgs/coralpedia)

カイメンは岩のごとく不動であるが、れっきとした動物であり、表面にある小さな穴から微生物と水を食べている。ほとんどのカイメンは無害であるが、上記写真の種などは触ると皮膚炎を起こすことが知られている。

有毒のカイメンに触った場合、最初は何も感じないかもしれないが、ヒリヒリした痛みやかゆみが数時間後、あるいは数日たって現れることがある。また患部の関節痛や腫れなども見られる。

3.イソギンチャク

【ハナブサイソギンチャク(強毒種)】

(via WetWebMedia)

【ウンバチイソギンチャク(強毒種)】

(via wikimedia)

海底の岩などにくっついているイソギンチャクは、クラゲと同じように触手に毒がある。この触手に何かが触れると、毒が自動的に放出されるので、獲物の捕獲や敵からの防御に役立っている。

ほとんどのイソギンチャクは毒が弱く、人間には無害であるが、上記の2種については非常に毒が強いことが知られている。いずれもインド太平洋の海域で見られ、日本では沖縄に生息する。

ハナブサイソギンチャクは「地獄の業火(ヘルファイア)」という別称があり、刺されると地獄のような痛みで、皮膚に潰瘍が生じる。

またウンバチイソギンチャクも凄まじい痛みで潰瘍が生じ、まれに急性の腎障害を引き起こす。しかも刺されたら治るまで数ヶ月かかる場合もあるそうだ。

4.ファイアーコーラル(アナサンゴモドキ属)

(via wikimedia)

サンゴのような見た目で擬態しているが、実際には有毒な刺胞を持つ恐ろしい群体生物だ。ヒドロ虫に近い種とされ、顕微鏡レベルの小さな虫が寄り集まってサンゴのような形を作っている。

沖縄など世界中の温かい海に広く分布しており、岩やサンゴの間にまぎれていることが多い。海藻と見誤って触り、刺されるケースが頻発しており、その毒によって激烈な痛みに襲われることになる。痛みが引くまでには短くて2日、長ければ2週間かかるという。

5.ヒドロ虫

(via leisurepro)

ヒドロムシは、羽毛のようなふんわりとした葉があり、海草のような外観の種が多い。だがこれは無数の虫が集まった群体であり、それぞれの個虫がクラゲと似た有毒の刺胞を持っている。

(via marine biology)

刺されると痛いのはもちろんだが、水ぶくれや腫れが生じ、まれにアレルギー反応が引き起こされる。

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動物

Posted by uti