何度試しても家畜・飼育できなかった動物たち
飼育あるいは家畜化する試みが何度も行われているものの、未だに達成困難な動物がいる。今回は、様々な理由で人間が扱うのは難しい動物を2種ご紹介しよう。
1.シマウマ
(via pixabay)
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ヨーロッパ人がアフリカを植民地化していた19~20世紀ごろ、彼らは荷物の運搬に対して問題を抱えていた。ヨーロッパ人の持ち込んだウマは、アフリカに生息するツェツェバエに刺されて致死的な眠り病にかかり、使えなかったのである。
この問題を解決するため、眠り病に耐性を持つシマウマを家畜化しようとする試みがなされた。だが現在においても、一部の個体を除き、シマウマの家畜化はほぼ失敗に終わっている。
(via wikipedia)
(via Joseph Eleyinte)
シマウマは生まれつき非常に警戒心が強く、攻撃的であった。驚くほどの疑い深さで、人間を含め他の動物が少し近づいただけで逃げ出してしまう。
それにシマウマの疾走スピードは、時速60kmにもなるため捕獲することは難しかった。もし捕まえることができても、強力なキックや噛み付き攻撃で逃げようと暴れた。
(via answers)
ヨーロッパの開拓者たちはシマウマをなんとか手に入れたものの、もっと残念なことに気づいた。シマウマはウマよりも小柄な上、乗り心地も最悪であったのだ。ウマと比べると背の骨格が貧弱で、もとから人を運んだり、荷物をのせたりするのには向いていなかった。
それに加え、シマウマは背中に物をのせられることが生まれつき嫌いなようで、飼い慣らした後でさえ荷物や人を乗せると暴れることがあった。
(via TH Animal Wild)
シマウマの攻撃性は、進化の過程で獲得したのではないかと考えられている。シマウマの生息地には、ライオンやワニ、ハイエナ、ヒョウなどの強力な肉食獣が多い。また古くから、人間はシマウマを食料として狩っていた。これらのことから、身を守るために手に入れた性質だとされている。
ホオジロザメ
(via wikipedia)
ホオジロザメの飼育は何度も試みられてきたが、いずれも失敗に終わっている。水槽に入れることができても、たいてい数日以内に死んでしまう。水族館での最も長い飼育期間は198日で、それも全長1.3mの小さなメスの個体であった。通常では全長4mを超える。
(via pokazuha)
(via dailymail)
かつて沖縄の美ら海水族館では、全長3.5mのオス個体を展示していたことがある。成体では世界初の試みだった。だがホオジロザメは水槽のガラスに激突し続け、何も食べ物を口にすることなく展示から3日で亡くなった。
ホオジロザメの飼育が困難なのは、マグロのように常に泳ぎ続けなければ、呼吸が出来ずに死んでしまうことが一つである。それに加え、開けた水域を1日に60kmも移動する長距離旅行者であり、成長すれば体がかなり大きくなる。だから今までに無いくらい大きな水槽でなければ、ホオジロザメの飼育には適さないのだ。
(via wikimedia)
またホオジロザメは基本的に生き餌しか食べない。成体がエサとしてメインに食べるのは、アザラシやオットセイであるから、水族館がこれらを生き餌として供給するのは難しいだろう。
ディスカッション
コメント一覧
確かに難しそうだけどしなくていいよね。
失敗と言うか身勝手に飼おうとして死なせてる感じ