すごすぎる動物の赤ちゃん・4種

2019年12月4日

産まれたばかりの人間の赤ちゃんは、無力だ。しかし動物の赤ちゃんは、既に産まれた時から自然界の厳しい生存競争に必要な能力を身につけている事が多い。今回は、すごいことをやってのける動物の赤ちゃんをご紹介していこう。

1.生後数日で高さ120mの崖から決死のジャンプ(カオジロガン)

(via wikipedia)

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カオジロガンの母親は、卵を切り立った崖の上に産む。これは、ホッキョクギツネやホッキョクグマなどの捕食者から襲われないようにするためだ。

【動画:高さ120mの崖からジャンプ】

だが卵がかえっても、崖の上には何もエサは無い。赤ちゃんが食べられるのは、草だけである。両親はあえて赤ちゃんにエサを与えず、自給を期待する。

(via bbc)

そのため赤ちゃんは、生死をかけて自然界で最も困難な試練を生後数日でクリアしなければならない。高さ100m以上にもなる崖の上から決死のジャンプをするのだ。

(via BBC )

生後数日ではまだ飛ぶことができず、体を広げてムササビのように落下していくしかない。体重が軽く、厚い羽毛のおかげである程度は着地の衝撃を和らげることができる。

しかしこの試練に挑んだ多くの赤ちゃんが、落下の衝撃で死んでしまう。

2.生きたまま宿主を食べて操る(コマユバチ)

【卵を産み付けるコユマバチ】

(via wikipedia)

コユマバチは、産まれた時から恐ろしい捕食者となる。母親はイモムシの体に100以上の卵を植え付け、体内で孵った幼虫は、生きたまま内部を食い荒らすのだ。ただし死んでもらっては困るため、幼虫は主要な臓器に手を出さない。

【動画:寄生した幼虫がサナギになるまで】

2週間ほど経ってサナギになる準備が出来ると、イモムシをマヒさせる化学物質を放出しながら、その皮膚をノコギリ状の歯で突き破って出ていく。

【イモムシから飛び出た幼虫たち】

(via The Homesteading Hiker)

外界に初めて顔を出した幼虫たちは、マユを作り始める。イモムシは致死的なダメージを受けながらも、特殊なウイルスで洗脳されるため、自分のマユではなく幼虫のマユづくりを手伝い始める。

【マユの上に乗って幼虫を外敵からガードする洗脳されたイモムシ】

(via National Geographic)

そして自らが死ぬまで幼虫たちに寄り添い、ボディーガードとして外敵を追い払い続けるのだ。

3.生きたまま母親を食べる子グモたち(ガケジグモ他)

(via petslady)

母グモは、子どもたちの生存確率を少しでも上げるため、自らが犠牲になって子グモたちのエサになる。このような母親食いは、様々なクモが行っており、ガケジグモもその一種として知られる。

本種は卵から孵ると、最初に母親が用意した無精卵を食べる。その食料は2、3日で尽きてしまうが、子どもたちの食欲は止まることを知らない。

【母グモの体に毒を打ち込む子どもたち】

(via Nat Geo WILD)

幸運にも母親は、子どもたちの食欲を満たす切り札を持っている。母親は巣の中で体を振動させ、子どもたちに自らをエサだと思い込ませるのだ。子どもたちは母親に毒の牙を打ち込み、肉を溶かしてその体液を吸い上げる。

およそ2週間、母親の体が空っぽになった頃には、子どもたちは外界に出て独り立ちできるようになる。

【動画:母親を食べる子グモたち】

4.まだ見ぬ兄弟を食べる(シロワニ)

(via wikipedia)

ワニという名前だが、暖かい海に生息する大型のサメである。本種は卵を子宮内で孵化させ、大きくなってから子どもを産む。

母親には子宮が2つあり、その中にたいてい複数の卵を有している。だが出産できるのは、各子宮で1匹ずつだけだ。

だから兄弟姉妹間で競争が起きる。先に卵からかえって大きくなった子どもが、他の子どもを全て食い尽くすのだ。

【母親から取り出された胎児と卵】

(via latimes)

母親は妊娠中も誰彼構わず交尾して、新たな卵を定期的に生み出すため、これらの卵も競争に勝った子どものエサとなる。

子どもは卵をたくさん食べることで、母親の子宮の中で最大1mまで育ち、産まれてからすぐに自活可能になる。

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Posted by uti