全長15mのカニは存在したか?(世界最大のカニについて)
(via newslocker)
2014年、全長15mの世界最大のカニが撮影されたとネット上で話題になった。その場所はイギリス南東部ケント州ウィスタブルの港であり、巨大カニとされる生物は埠頭の浅瀬に潜んでいた。
スポンサーリンク
(via weirdwhitstable)
最初にこの画像が投稿されたのは「変なウィスタブル(Weird Whitstable)」という、ケント州周辺の奇妙な目撃情報について紹介しているウェブサイトだった。サイトの管理者は、この怪物的なカニをゴジラにちなんで「クラブジラ(Crabzilla)」と名付けた。
(via weirdwhitstable)
そしてこの情報はイギリスの大衆紙であるサンデーエクスプレスによって報じられ、またたく間にネット上で拡散された。
この画像が「変なウィスタブル」に掲載された後、まもなくして別のクラブジラとされる怪物カニの写真が投稿された。
(via weirdwhitstable)
(投稿文)この衝撃的な画像は、ウィスタブルで人気のカニ釣りスポットで先週撮影された。写真の子どもたちはその危険性に気づいていなかったが、複数の通行人が水中で忍び寄るカニを見て子どもたちに大声で注意していた。
「変なウィスタブル」の管理者であるクイントン・ウィンター氏はメディアの取材に応じ、彼も最初この写真を見たときは疑いを抱いていたが、昨夏自分自身が本物のクラブジラを見て確信するに至ったと話す。
クイントン氏の主張に反して、この件について調査を行った専門家はでっち上げだと結論づけている。以下にその4つの理由をご紹介しよう。
1.世界最大のカニは、タカアシガニである
(via xj20)
タカアシガニは、ハサミを広げると最大5.5mほどになり、軽自動車よりも圧倒的に大きくなる。だが全長15mになることはないし、見た目も全く異なる上、水深50m以下の日本の深海にいるのでこのような浅瀬に現れることはない。
2.類似するカニとして世界最重量級のタスマニアオオガニがいるが、生息地が違う
(via hassme )
写真のカニと類似する種として、タスマニアオオガニがいる。コウラの大きさは最大で46cmに達し、重量は最大17.6kgになる。タカアシガニは重量19kgほどになるので、大きさも重さも下回っている。
また本種はオーストラリア南部の20~820mの海域に生息しており、イギリスのウィスタブル近海で見つかることはありえない。
3.一番似ているのはヨーロッパミドリガニ
(via wikipedia)
専門家の意見では、疑惑の写真のカニはヨーロッパミドリガニによく似ているという。残念ながらこのカニは、20cmくらいにしかならない。おそらくこのカニの写真を衛星画像と上手く合成したのではないかという。
4.カニが写っていないオリジナル写真が見つかっている
(via thatsnonsense)
この写真は検索サイトBingの地図で閲覧可能な衛星写真であった。そのオリジナルの衛星写真には、もちろん巨大カニの姿など写っていない。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません