世界の孤立しすぎている町(集落)

普通に暮らすことが困難な所にある町を4ヶ所ご紹介していこう。

1.エディンバラ・オブ・ザ・セブン・シーズ(イギリス)

(via THRUSSIANBADGER)

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ここは、「世界で最も隔絶された集落」とも呼ばれている。この集落は南大西洋のトリスタンダクーニャ島にあり、最も近い定住地セントヘレナからは2173km離れている。船以外ではアクセスできず、比較的行きやすい南アフリカからの航路でも、6日間かかる。

【島の位置】

(via Google map)

島の大部分が火山であり、海岸線は断崖絶壁で占められ、平地はごく一部だ。その限られた平地に、エディンバラ・オブ・ザ・セブン・シーズという人口266人の集落がある。

【周囲は断崖絶壁】

(via wikipedia)

イギリスの海外領土であるこの集落の名前は、ビクトリア女王の次男エディンバラ公にちなんだものだ。セブン・シーズとは地球上に存在する全ての七海を意味する。

(via wikipedia)

隔絶された集落といえど、電気・ガス・水道は使用でき、病院、警察署、学校、カフェ、スーパー、バー、ネットカフェ、郵便局などが一通りの施設がそろっており、道路がつくられ、バスも巡回している。

【集落のスーパー】

(via Redfern Natural History Productions)

電気やガスの燃料は、船で輸送されており、食糧は島内の畑と牛で自給自足している。集落の主要な稼ぎは、ロブスターの出荷であり、島内には加工工場も存在している。

【バス停とミニバス(24座席)】

(via Redfern Natural History Productions)

2.ビジャ・ラス・エストレージャス(南極)

(via wikimedia)

「星の村」という意味を持つこの町は、南極の数少ない民間人の定住地である。ここ以外で一般人が定住しているのは、エスペランサ基地のみとなっている。

【集落がある南極のキングジョージ島の位置】

(via Google map)

人口は夏と冬で変わるが、夏は150人、冬でも80人が暮らしている。住民のほとんどが、チリ空軍の基地で働く軍人とその家族である。

【この町のチリ南極基地】

(via wikimedia)

14棟の住宅(90平米)が建っており、約15人の子どもがこの町の小学校に通っている。小学校の教師は2名、また幼稚園もあり、6名の児童を1人の教員で教育している。

【教会】

(via wikimedia)

島内には、病院や郵便局、銀行、20名が泊まれるホテル、お土産屋、体育館、スーパーなどがある。また携帯電話やテレビ、インターネットも利用可能となっており、普段の生活で不便に思うことはなさそうだ。

3.ラ・リンコナダ(ペルー)

(via Wikimedia)

アンデス山脈の標高5100mに位置する町、ラ・リンコナダは「地球上で最も標高の高い定住地」である。上下水道もガスも電気も通っておらず、低酸素のため普通に動くだけでも大変な場所にも関わらず、人口は急増しており、2016年には5万人に達した。

(via Amusing planet)

人口が多い理由は景色が良いからではなく、町の上流に位置する眠れる美女氷河に金が眠っているためだ。だからこの町に暮らすのは、一攫千金を夢見る鉱夫たちである。町には、彼らの掘っ立て小屋が軒をつらねる。

(via Amusing planet)

だが町の環境は最悪である。ごみ処理施設がないため通りにゴミが捨てられ、数多くある売春宿やバーでは絶え間なく喧嘩が起きている。また鉱夫らは、金鉱石の精錬を水銀を用いて処理するため、水銀汚染がはびこっている。

【汚染された池?】

(via biwook)

4.パーマストン島(ニュージーランド)

(via wikimedia)

南太平洋上のパーマストン島は、最も近い島からでも360km以上離れている。この島は、サンゴ礁で出来た環礁であり、その環礁には全部で6つの小島があるが、その中で唯一の定住地となっている。

(via Google map)

環礁の内部には浅い湖(潟湖)があり、周囲11km、面積56km2に渡って広がる。この島は1863年まで無人島だった。だがイギリスの宣教師ウイリアム・マスター卿が、3人のポリネシア人の妻を連れて移住したときから定住地に変わった。

(via Patrick Dayshaw and Kirsten Rohrbach)

現在暮らしているここの島民は、ほぼ全員が宣教師の子孫である。移住者が少ないこともあって、2013年に62人いた住民は、2019年には35人まで減っている。

【ほぼ住民全員(2009年ごろ)】

(via moanasailing)

ここでは、島の外に出ることも難しい。飛行場も港もなく、大型の船では島に入れない。また台風が直撃しやすく、海が荒れやすい。定期的な往来は、1年に2回の貨物船だけだという。

【学校のほか、教会、バーもある】

(via Patrick Dayshaw and Kirsten Rohrbach)

しかし島内には電気やネットなど文明的なインフラが整っており、利用時間に制限があるものの使用可能だ。隔絶された土地ゆえ、現金でのやり取りがほとんどなく、彼らはほぼ自給自足の生活を送っている。

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雑学

Posted by uti