最も危険な火山(噴火の恐れがある山10選)
今回は今後噴火の恐れがあり、多くの命が危険にさらされる可能性がある「危険な火山」についてご紹介します。
1.噴火すれば人類の歴史が変わる。イエロストーンカルデラ、アメリカ
(出典:Emanuel)
ブクブクと泡立つ硫黄温泉やどっと噴出する間欠泉のあるイエロストーン国立公園は、多くの観光客を魅了してきた。公園は息をのむほど美しく、畏敬の念さえも抱かせてくれる場所だ。
(出典:InyMiny)
しかしこの美しい公園の地下には、アメリカ西部を一掃し、人類の歴史を変えてしまうほどの力を秘めた「超巨大火山」が眠っている。
超巨大火山、あるいはスーパーボルケーノと呼ばれる火山の噴火は、これまでに人類が遭遇したことがない現象である。
最後に起きたスーパーボルケーノの爆発は、人類がまだ誕生してすらいない64万年も前の事だ。その時の噴火は、1980年に噴火した広島型原爆2万1,000個分のエネルギーを放ち、数千万匹の生物を殺害したセント・ヘレンズ山の1,000倍以上の威力であった。
壊滅的な噴火をするスーパーボルケーノは、一般的にイメージする円錐状の形ではなく、へこんだ形をしたカルデラと呼ばれる形状である。イエローストーンにあるそのカルデラはあまりにも大きく、広島県(8,479km2)より巨大だ。
もし、イエローストーンで大規模噴火が起きれば、3日以内に大量の火山灰がヨーロッパ大陸に降り注ぎ、米国の75%の土地環境が変化し、火山から半径1,000km以内に住む90%以上の人が火山灰で窒息死し、地球の年平均気温は10℃近く下がると予想されている。
しかもこれは差し迫った未来の出来事だ。なぜなら、イエローストーンの噴火は220万年前、130万年前、64万年前と60万年周期で起こっており、今はその周期の始まりにあるのだから。
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2.ヴェスヴィオ山、イタリア
(出典:Top 101 News)
イタリア・カンパーニア州にあるヴェスヴィオ山は、過去に複数の大規模な噴火を起こしている最も危険な火山の一つである。
最後に噴火したのは1944年であるが、噴火の周期は基本的に20年である。また噴火口の比較的近くには、300万人が暮らしており、人口100万人に近い都市ナポリからも、たった8kmしか離れていないのだ。火山地域でこれほど人口密度が高い場所は世界中のどこを探してもない。
ヴェスヴィオ山は、過去100年においてヨーロッパ本土で噴火した唯一の火山であり、最も有名なのは西暦79年に古代都市ポンペイを埋没させた大規模噴火であろう。
(出典:Living Pl Blog)
3.ポポカテペトル山、メキシコ
(出典:Emaze)
ポポカテペトルは、メキシコシティから56km離れた場所にある巨大な氷に覆われた山である。噴火の影響があるとされる範囲には、およそ900万人が暮らしている。
1519年の観測から既に30回以上の噴火を起こしており、2000年に噴火した際には周辺に住む4万1千人が避難した。そして2016年現在も、小規模な噴火が継続している。
(出典:Earthquake)
4.桜島、日本
(出典:Wikiwand)
かつては島だったが、1914年の噴火で九州本土とつながった鹿児島にある複合火山。専門家たちの間では、火山活動の活発さから”東のヴェスヴィオ山”と呼ばれることもある。
毎年、数千回に及ぶ小規模な噴火を繰り返しており、周辺地域に灰をばらまいている。もし、大噴火が起きれば、たった数kmしか離れていない人口70万人の鹿児島で多くの犠牲者が出ると予想されている。それに備えて桜島では、噴出物から身を守るためのシェルター(退避壕)が数多く設置されている。
(出典:girlschannel)
5.ガレラス山、コロンビア
(出典:Welcome)
コロンビア南部に位置するガレラス山は、少なくとも100万年以上前から活発な噴火活動を繰り返している。記録が残っている最初の噴火は1580年で、それ以来少なくとも20回以上噴火している。
山の東側のふもとには、人口45万人のパスト市があり、噴火による大きな被害が憂慮されている。
火山は1978年に一旦休眠状態に入った後、10年後の1988年には再度活発化。1993年には突然の噴火で、9名の死者が出た。2000年以降はほぼ毎年のように小規模な噴火を繰り返しており、周辺地域では火山灰が降り注ぎ、溶岩の流出や地震などが頻繁に起こっている状態だ。
(出典:en.wikipedia.org)
6.ムラピ山、インドネシア
(出典:Big Think)
インドネシア語で「火の山」を意味するムラピ山は、インドネシア国内で最も噴火活動が活発な火山である。この山は噴火時の溶岩流が多いことで知られ、その産出量は世界一とされている。
ムラピ山の噴火は1万年前から活発になり、1548年以降は定期的に噴火している。噴火によって産み出された溶岩流は山頂から4~6km以上飛び、数10km先まで流れ、街を呑み込んでしまう。溶岩流の速度は最高で時速110kmにも達することがある。2010年の噴火では353人が亡くなり、32万人以上が家を失っている。
(出典:Wikimapia)
7.ニーラゴンゴ山、コンゴ民主共和国
(出典:wikipedia)
アフリカ大陸で最も活発な火山のひとつで、噴火口には巨大な溶岩湖があることで知られている。
(出典:wikipedia)
この山は険しい傾斜のある成層火山であるため、噴火の際には溶岩湖から大量の溶岩が山の急斜面を勢い良く流れ、周辺の街を飲み込んでしまうという恐れがある。
実際に1977年、溶岩湖が噴火で一瞬のうちに噴き出して空になり、時速100kmに達した溶岩流がふもとの街を襲い、数千人が亡くなった。
また、2002年に大規模な噴火を起こし、大量の溶岩がふもとのゴマ市街や空港にまで流出した。その時の溶岩流は全長約20kmに達し、それによって4500棟が破壊され、12万人が家を失った。幸いにも40万人は避難して助かったが、逃げ遅れた147人が溶岩流に呑まれて亡くなっている。
8.ウラウン山、パプアニューギニア
(出典:Haiku Deck)
ウラウン山は、パプアニューギニアで最も活発な火山。1700年代からは、少なくとも22回以上噴火している。
最近ウラウン山が活発になっており、火山灰や溶岩を周辺地域に降らせる小規模噴火が、地元の住民たちに目撃されている。山の高さが2,334mと比較的高いため、ウラウン山が噴火により崩壊して、さらなる大きな被害をもたらすのでないかと懸念されている。
(出典:Cities Observer)
9.タール火山、フィリピン
(出典:shekawkaw)
中央がカルデラ湖になっている高さ300mの火山。160万人が生活する首都マニラから50km離れたルソン島に位置する。
1572年以降、タール火山は33回の噴火を記録している。そのうちの多くは、カルデラ湖内で収まっているが、一部には破滅的な結果をもたらしたものもある。これらの噴火による死亡者総数は5000~6000人に上ると推測されている。
10.マウナ・ロア、ハワイ
(出典:Wikipedia)
体積と表面積の点から見れば、マウナロア山は世界一大きな火山と言える。またこの山は、ハワイを構成する5つの火山のうちの1つで、太平洋の中心に位置する。
マウナロア山は少なくとも70万年前から噴火を繰り返しているが、1984年以降は休止している。最も重大な危険は、周辺地域にもたらされる溶岩流である。小規模な噴火ではマウナロアの溶岩流はかなりゆっくりと進むため、あまり脅威にならないが、大規模噴火が起こった場合は溶岩流の速度はかなりのものになると予想される。
1984年に起きた小規模噴火では、溶岩流が最も人口密度の高い都市であるヒロに流れ着いたが、一棟の建物も破壊されることはなかった。
ただ、めったに無いことではあるが、噴火によって火山が崩壊し大規模な山崩れが起こった場合、大地震と巨大津波が引き起こされ、大災害が起きることが指摘されている。
(出典:Emaze)
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