観測史上最大の超巨大地震(ランキングトップ5)
これまでに観測された最も規模の大きい地震をご紹介します。ただし、地震計が発達し、普及した1900年代以降の記録が中心になります。
それより以前については推計値であるため、かなりの誤差があることにご注意ください。
また以下では、地震の規模を示す単位のマグニチュードをMで表しています。
1位.チリ地震 (1960年) M9.5
(via Mappery)
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観測史上最大の地震と言われているのが、チリ南部のバルディビアで1960年5月22日に起きたチリ地震です。
震源はチリ沿岸部の太平洋で、地震の規模はM9.5。地震による揺れだけで少なくとも数千以上の建物が崩壊し、津波の影響も含めると、チリ国内では200万人近くが住む家を失ったとされています。
(via ChemaTierra)
地震による犠牲者の多くは、津波によるものでした。地震発生後に高さ10m以上の波が海岸部を襲い、建物を押し流し、多くの人を溺れさせたのです。
正確な統計は無いものの、死亡者数は2231~6000人程とされ、これほど大きな地震であったのにも関わらず、被害は比較的少なくなっています。これは人口が集中していない地域であったこと、前震が本震より1日前にあったこと、そして日中に起こったため避難することが出来たからです。
(via Dikili Haber)
被害額は、現在の貨幣価値で3000億~6000億円と見積もられています。
地震により発生した津波は、チリ国内だけでなく震源から数万km離れた地域でも多くの被害をもたらしました。津波の速度は平均時速750kmに達し、地震から15時間後にはハワイの沿岸部に到着。最大10.5mの高さを記録し、61名の命を奪いました。
(via noaa)
それから7時間後には日本を襲い、最大高さ6.1mの津波を記録。東北地方を中心に142名が死亡、1600戸が倒壊しました。その2時間後には震源から約1万7千km離れたフィリピンでも津波を観測し、32人の犠牲者が出ています。
2位.アラスカ地震(1964年) M9.2
(via wikimedia)
1964年の3月28日に、アラスカ州で発生した超巨大地震です。
震源はアラスカ州南部のプリンス・ウィリアム湾で、強い揺れは約4分半続き、地すべりや崩落により多くの被害を与えました。被害額は現在の貨幣価値にするとおよそ2300億円と推計されています。
(via wikimedia)
地震による死亡者は131人で、そのうち津波が119人、9人が揺れによる建物の倒壊などで亡くなっています。
(via wikimedia)
震源地から近いシュープ湾では、高さ67mの津波を観測。また、チェネガ村では住民76人のうち25人が溺死し、海抜30mにある校舎以外の建物全てが津波により倒壊しました。
3位.スマトラ島沖地震(2004年) M9.1~9.3
(via wikimedia)
インドネシア・スマトラ島北西のインド洋で、2004年12月26日に起きたM9.1~9.3の地震です。「世界最悪の人災による悲劇」とも言われ、14ヶ国に渡って23万~28万人が命を落としたとされています。
最も被害が多かったのはインドネシアで約22万人、次いでスリランカの3万5千人、インドの1万2千人、タイの5千人となっています。
(via wikimedia)
特にスマトラ島・バンダ・アチェでの被害が大きく、建物が壊滅し、人口約20万のうち16万人もの人が亡くなっています。
(via wikimedia)
犠牲者の多くは津波で亡くなっており、最大で高さ30m、平均でも10m以上の波がインド洋沿岸地域に押し寄せました。
その津波の威力は広島型原爆2万3千個分とされ、震源地から5000㎞以上離れた東アフリカのソマリアにまで到達しました。ソマリアでも5~9mの津波が沿岸部を襲い、300人近くの犠牲者が出ています。
4位.東北地方太平洋沖地震(東日本大震災、2011年) M9.0~9.1
(via wikimedia)
日本において観測史上最大規模の地震となったのが、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震です。震源地は仙台市から東方に70㎞離れた場所であり、その地震のゆれによって本州が東に2.4mほど移動し、地球の自転軸が25cm傾きました。
(via reuter)
また地震は大津波を引き起こし、宮古市で最大高さ40.5mの津波を観測するほどでした。仙台市では、津波が10㎞先の内陸部まで押し寄せています。
(via wikimedia)
犠牲者は15,894名に上り、約13万戸の建物が全壊、27万戸が半壊、被害を受けた建物は100万戸以上に上っています。
5位.カムチャツカ地震(1952年) M9.0
(via noaa)
1952年11月4日、カムチャッカ半島沖で起きたM9.0の巨大地震です。震源地はカムチャッカ半島の海岸から130㎞離れており、その揺れで最大18mの津波を引き起こしました。
(via globalindonesianvoices)
最も被害を受けたのは、千島列島北部にある人口約6千人のセベロクリリスクでした。町の人口の1/3以上(2336人)が、津波で亡くなったのです。
津波は日本にも届き、高さ8.5mを記録しています。また1万5千㎞以上離れたチリでもこの地震による津波を観測しています。
6位から10位についても簡易的に紹介
6位.アリカ地震(1868年) M8.5~9.0
(via Tsunami Laboratory)
1868年8月13日に、ペルーのアリカ付近で起きた地震です。この地震で2万5千人近くが亡くなったとされています。
7位.カスケード地震(1700年) M8.7~9.2
(via wikimedia)
カナダとアメリカの国境付近で、1700年1月26日に起きたとされる巨大地震。この地震によって、日本にも津波が来ていたことが明らかになっています。
8位.貞観地震(じょうがんじしん、869年) M8.9
(via wikimedia)
869年7月9日に日本の三陸沖で起きた地震です。2011年に起きた東北地方太平洋沖地震と同様の震源域であるため、3.11は貞観地震が再来したものではないかとも言われています。
津波は仙台平野の4㎞内部まで広がっており、およそ1000人が亡くなったという記録が残っています。
9位.アラカン地震 M8.8(1762年)
(via wikimedia)
1762年4月2日に起きた、バングラデシュのチッタゴンからミャンマーのアラカン州を震源とする大規模地震。ベンガル湾で発生した津波によりおよそ200人が亡くなったとされています。
10位.スマトラ島地震(1833年) M8.8
(via wikimedia)
1833年11月25日にスマトラ島で起きた地震で、2004年に起きた地震よりも震源地が南にずれています。
スマトラ島の南西部を巨大津波が襲ったとされており、多数の犠牲者数が出たという記録が残されていますが、どれくらい出たのかについては明らかになっていません。
マグニチュードのデータは、以下を参考にしたwikipedia
ディスカッション
コメント一覧
東日本大震災はM9.0ですよ
ご指摘ありがとうございます。一部修正させていただきました。
マグニチュードのデータとランキングは、すべて以下から抽出しています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Lists_of_earthquakes
所詮は人間が決めた数値ですね。
M10以上が、今後あり得るかもしれません。