観測史上最大の超巨大地震(ランキングトップ5)

2018年6月18日

これまでに観測された最も規模の大きい地震をご紹介します。ただし、地震計が発達し、普及した1900年代以降の記録が中心になります。
それより以前については推計値であるため、かなりの誤差があることにご注意ください。

また以下では、地震の規模を示す単位のマグニチュードをMで表しています。

1位.チリ地震 (1960年) M9.5

【↓星のマークが震源、等高線は波が到達した時間(h)】

(via Mappery)

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観測史上最大の地震と言われているのが、チリ南部のバルディビアで1960年5月22日に起きたチリ地震です。

震源はチリ沿岸部の太平洋で、地震の規模はM9.5。地震による揺れだけで少なくとも数千以上の建物が崩壊し、津波の影響も含めると、チリ国内では200万人近くが住む家を失ったとされています。

(↓震源地に近い町の様子)

(via ChemaTierra)

地震による犠牲者の多くは、津波によるものでした。地震発生後に高さ10m以上の波が海岸部を襲い、建物を押し流し、多くの人を溺れさせたのです。

正確な統計は無いものの、死亡者数は2231~6000人程とされ、これほど大きな地震であったのにも関わらず、被害は比較的少なくなっています。これは人口が集中していない地域であったこと、前震が本震より1日前にあったこと、そして日中に起こったため避難することが出来たからです。

(↓バルディビアの地震で崩壊した建物)

(via Dikili Haber)

被害額は、現在の貨幣価値で3000億~6000億円と見積もられています。

津波による被害

地震により発生した津波は、チリ国内だけでなく震源から数万km離れた地域でも多くの被害をもたらしました。津波の速度は平均時速750kmに達し、地震から15時間後にはハワイの沿岸部に到着。最大10.5mの高さを記録し、61名の命を奪いました。

(↓宮城県で観測した津波)

(via noaa)

それから7時間後には日本を襲い、最大高さ6.1mの津波を記録。東北地方を中心に142名が死亡、1600戸が倒壊しました。その2時間後には震源から約1万7千km離れたフィリピンでも津波を観測し、32人の犠牲者が出ています。

2位.アラスカ地震(1964年) M9.2

【↓星が震源地、等高線は波の到達時間(h)】

(via wikimedia)

1964年の3月28日に、アラスカ州で発生した超巨大地震です。
震源はアラスカ州南部のプリンス・ウィリアム湾で、強い揺れは約4分半続き、地すべりや崩落により多くの被害を与えました。被害額は現在の貨幣価値にするとおよそ2300億円と推計されています。

(↓アラスカの繁華街での被害)

(via wikimedia)

地震による死亡者は131人で、そのうち津波が119人、9人が揺れによる建物の倒壊などで亡くなっています。

(↓地震により起きた大規模な地すべり)

(via wikimedia)

震源地から近いシュープ湾では、高さ67mの津波を観測。また、チェネガ村では住民76人のうち25人が溺死し、海抜30mにある校舎以外の建物全てが津波により倒壊しました。

3位.スマトラ島沖地震(2004年) M9.1~9.3

【一連の星が震源地、等高線は波の到達時間(h)】

(via wikimedia)

インドネシア・スマトラ島北西のインド洋で、2004年12月26日に起きたM9.1~9.3の地震です。「世界最悪の人災による悲劇」とも言われ、14ヶ国に渡って23万~28万人が命を落としたとされています。

最も被害が多かったのはインドネシアで約22万人、次いでスリランカの3万5千人、インドの1万2千人、タイの5千人となっています。

(↓津波の被害を受けたスマトラ島の港町)

(via wikimedia)

特にスマトラ島・バンダ・アチェでの被害が大きく、建物が壊滅し、人口約20万のうち16万人もの人が亡くなっています。

【↓沿岸地域に押し寄せた津波(赤線)のスケール】

(via wikimedia)

犠牲者の多くは津波で亡くなっており、最大で高さ30m、平均でも10m以上の波がインド洋沿岸地域に押し寄せました。

その津波の威力は広島型原爆2万3千個分とされ、震源地から5000㎞以上離れた東アフリカのソマリアにまで到達しました。ソマリアでも5~9mの津波が沿岸部を襲い、300人近くの犠牲者が出ています。

4位.東北地方太平洋沖地震(東日本大震災、2011年) M9.0~9.1

(↓☓が震源)

(via wikimedia)

日本において観測史上最大規模の地震となったのが、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震です。震源地は仙台市から東方に70㎞離れた場所であり、その地震のゆれによって本州が東に2.4mほど移動し、地球の自転軸が25cm傾きました。

(↓岩手県・宮古市、閉伊川で撮影された津波)

(via reuter)

また地震は大津波を引き起こし、宮古市で最大高さ40.5mの津波を観測するほどでした。仙台市では、津波が10㎞先の内陸部まで押し寄せています。

(↓地震後の宮城県名取市)

(via wikimedia)

犠牲者は15,894名に上り、約13万戸の建物が全壊、27万戸が半壊、被害を受けた建物は100万戸以上に上っています。

5位.カムチャツカ地震(1952年) M9.0

【↓星が震源地、等高線は津波の到達時間(h)】

(via noaa)

1952年11月4日、カムチャッカ半島沖で起きたM9.0の巨大地震です。震源地はカムチャッカ半島の海岸から130㎞離れており、その揺れで最大18mの津波を引き起こしました。

(↓町をおそった巨大津波)

(via globalindonesianvoices)

最も被害を受けたのは、千島列島北部にある人口約6千人のセベロクリリスクでした。町の人口の1/3以上(2336人)が、津波で亡くなったのです。

津波は日本にも届き、高さ8.5mを記録しています。また1万5千㎞以上離れたチリでもこの地震による津波を観測しています。

6位から10位についても簡易的に紹介

6位.アリカ地震(1868年) M8.5~9.0

(↓赤い部分が震源)

(via Tsunami Laboratory)

1868年8月13日に、ペルーのアリカ付近で起きた地震です。この地震で2万5千人近くが亡くなったとされています。

7位.カスケード地震(1700年) M8.7~9.2

(↓黒く囲んだ部分、およそ1000㎞の断層がずれ、地震が発生)

(via wikimedia)

カナダとアメリカの国境付近で、1700年1月26日に起きたとされる巨大地震。この地震によって、日本にも津波が来ていたことが明らかになっています。

8位.貞観地震(じょうがんじしん、869年) M8.9

(↓赤丸が震源地)

(via wikimedia)

869年7月9日に日本の三陸沖で起きた地震です。2011年に起きた東北地方太平洋沖地震と同様の震源域であるため、3.11は貞観地震が再来したものではないかとも言われています。

津波は仙台平野の4㎞内部まで広がっており、およそ1000人が亡くなったという記録が残っています。

9位.アラカン地震 M8.8(1762年)

(↓赤丸が震源地)

(via wikimedia)

1762年4月2日に起きた、バングラデシュのチッタゴンからミャンマーのアラカン州を震源とする大規模地震。ベンガル湾で発生した津波によりおよそ200人が亡くなったとされています。

10位.スマトラ島地震(1833年) M8.8

(↓赤丸が震源)

(via wikimedia)

1833年11月25日にスマトラ島で起きた地震で、2004年に起きた地震よりも震源地が南にずれています。

スマトラ島の南西部を巨大津波が襲ったとされており、多数の犠牲者数が出たという記録が残されていますが、どれくらい出たのかについては明らかになっていません。

マグニチュードのデータは、以下を参考にしたwikipedia

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雑学

Posted by uti