地球上で強度最強レベルの物質・8種類
1.クモの糸(生物界最強)
(via wikipedia)
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クモの糸は、生物が作り出す物質としては最も強度が高い。特に写真のダーウィンズ・バーク・スパイダーは、通常のクモよりも糸の強度が2倍高く、自然界最強の糸として知られる。
強度は、ボディアーマーや防刃ベスト、飛行機の素材などに使われるケブラーの10倍以上である。これほど強いのは、ダーウィンズ・バーク・スパイダーが世界最大のアミを作るためである。
このクモは獲物を捕獲するために、最大で幅25m、面積2.8平米のアミを川や池を横切るように仕掛ける。糸の強度は、アミの大きさにともなって進化し続け、現在知られる最強の糸になったと考えられている。
2.炭化ケイ素(ダイヤモンドに次ぐ)
(via wikimedia)
戦車を守る装甲の素材として使われているのが、炭化ケイ素である。ひっかいたときの傷のつきにくさ(モース硬度)は、ダイヤモンドに次ぐ。
炭化ケイ素は他の素材と焼結させることで、極めて頑丈なセラミックスになる。そのため高耐久性を必要とする車のブレーキやクラッチ、防弾ベストなどによく使われている。
また、非常に高い温度でも変形しない優れた耐熱性のため、原子力発電所の高温ガス炉や燃料カバーなどに利用されることもある。
3.ダイヤモンド(鉱物で最高強度)
(via wikimedia)
ダイヤモンドは、確証のある天然で最も硬い物質である。引っかき傷の強さ(モース硬度)では、並ぶものが存在しない。熱の伝わりやすさも非常に優れており、熱伝導率は銅の5倍にもなる。
ただし、ひっかき傷の強さでは随一であるが、衝撃に対しては耐性があまりない。
茶碗などの陶器と同じく、瞬時に強い力を与えると簡単に割れてしまうのだ。ハンマーなどでダイヤモンドを強く叩くと、粉々になるのはよく知られている。
4.ウルツァイト窒化ホウ素(ダイヤより強い可能性)
(via pixabay)
ダイヤモンドは天然の最も硬い物質と言われているが、それは過去のことになるかもしれない。窒素とホウ素からなるこの化合物は、ダイヤモンドよりも18%硬いと予想されているのだ。
しかしこの物質は、天然では火山爆発の際に生成するもので、ごく少量しか採ることができない。それゆえ、その強度をテストするだけの量が手に入らないため、実際にどれほどの強度なのかは確証が得られていない。
5.ロンズデーライト(同じくダイヤより強い?)
(via Wikimedia)
ウルツァイト窒化ホウ素と同じく、ダイヤモンドより硬いかもしれない物質である。この物質はダイヤモンドと同じ炭素のみで出来ている。
ダイヤモンドと異なるのは、炭素の並び方である。ダイヤモンドは炭素が立方体をなすように並んでいるが、ロンズデーライトは六角柱をなす。
ダイヤモンドよりも58%硬いとされているが、地球上では隕石の中から発見されたごくわずかな量しか存在していないため、調査は進んでいない。
6.ダイニーマ(最強の繊維)
(via Wikimedia)
ゴミ袋や容器などに使われているポリエチレンの一種だが、ダイニーマは「世界一強い繊維」と言われている。通常のゴミ袋との大きな違いは分子量であり、ダイニーマはその分子量が極めて大きい。
ダイニーマは水よりも比重が小さく、0.97(g/cm3)しかない。それなのに、比重が7.8(g/cm3)の鉄よりも高強度なのだ。
その強度は、鉄の15倍であり、耐摩耗性(けずられにくく)と耐衝撃性(急激に強い力を与えても破壊されない)が非常に優れている。
その強度から防弾チョッキや戦闘用ヘルメットの素材などに、その耐摩耗性からギアや歯車、農機具のブレードなどに利用されている。
7.バッキーペーパー(将来的には鉄の500倍強度?)
(via wikipedia)
髪の毛より5万分の1ほど薄いカーボンナノチューブを結合させて作った薄い膜状の物質。カーボンナノチューブ自体、きわめて強度が高いことは知られていたが、これまでは粉末でしか得られなかった。
薄膜を作れるようになったことで、軌道エレベーターなど高強度を必要とする材料に応用できる可能性がある。現在研究中だが、将来的には鋼鉄の500倍の強度、軽さは現在の1/10以下になると予想されている。
8.グラフェン(現在あらゆる物質の中で最強)
(via wikipedia)
グラフェンは、鉛筆の芯(黒鉛)にテープを貼り付けてはがすことで得られる物質である。上の写真のように、炭素原子が六角形状に並んだ一層のシート構造をしている。
ダイヤモンドと同じ炭素のみで出来た物質であるが、その強度は一定の条件下ではダイヤモンドを超える。炭素同士が結合している方向(水平方向)対して世界一の強度を誇るのだ。ただし、垂直方向には弱い。
その強度は、最大で鋼鉄の200倍になり、サランラップほどの薄さのグラフェンでさえ穴を開けるには、鉛筆の先にゾウが乗って圧力をかけるくらいでなければならない。
ディスカッション
コメント一覧
鼻くそわっしょい
きったねぇ
炭素材料の可能性はまだまだありますね
ありふれた元素がハイテクを支えるのはロマンがある