世界の危険な空港・8つ(離着陸の難易度)
世界には約4万もの空港が存在する。その中で滑走路の立地や構造的な問題、天候などから離着陸の難易度が高く、通常の空港よりも危険性が高いとされた8つの空港をご紹介していこう。
1.テンジン・ヒラリー空港(ネパール、ルクラ)
(via wikipedia)
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ヒマラヤ山脈の谷間に位置し、エベレスト登山者など毎年8万人以上が利用する空港である(標高2,845m)。そしてここは「世界で最も危険な空港」ともいわれている。
その理由の一つとして、滑走路が全長527mしかないことだ。この滑走路は小型の飛行機しか利用できないようになっているが、それでも最低1000mほどは必要である。しかも目の前には高い山があるので、衝突しないよう急角度で離着陸しなければならない。
これに加え、山間に位置するため非常に天候が変わりやすい。この空港からカトマンズまでの定期便は130kmほどの距離しかないが、カトマンズは快晴であっても、ルクラでは土砂降りの雨だったりすることがよくある。そしてよく強風が吹き、雲が立ち込め、視界が悪くなりやすい。
(via wikipedia)
この激しく変わる天候のため、予告なく離着陸が遅れたり、空港が閉鎖されることは珍しくない。空港は基本的に年中運行されているが、モンスーンの時期は視程の問題で50%のフライトが中止になっている。
2.クールシュヴェル飛行場(フランス、アルプス)
(via Wikimedia )
アルプス山脈のスキーリゾートがある山岳飛行場であり、標高2,008mの立地に、非常に短い滑走路(537m)が一本通っている。その滑走路は勾配が18.6%あり(2006m→1942m)、これが離着陸をさらに難しくしている。
目前にはアルプス山脈がそびえているため、一度滑走路に進入したら、状況が悪くても再び上昇して着陸をやり直すことはできない。また滑走路の照明など基本的な設備が無いこともあり、立ち込める霧や雲で視界が悪いときには、運行が不可能になる。
(via wikipedia)
3.トンコンティン国際空港(ホンジュラス、テグシガルパ)
ホンジュラスの首都テグシガルパ中心部から6kmとアクセスに優れた空港であるが、「世界で2番目に危険な空港」というランク付けがされている。その理由は動画を見ると分かるが、滑走路の直ぐ側に山があり、滑走路端の一方は斜面になっているためだ。
(via wikipedia)
これらのことから谷間に位置する滑走路への侵入には、45度の急旋回をした後、斜面を削り取らないように素早く高度を下げて着陸する必要がある。これほど難度の高い操縦を要するにも関わらず、滑走路は旅客機に対して十分な長さになっていない(2,021m)。
4.プリンセス・ジュリアナ国際空港(カリブ海のセント・マーチン島)
(via Metro)
毎年250万人近くが利用するこの空港は、滑走路のすぐ前に公共のビーチがあり、大型旅客機がビーチ上空20~30mを通過する迫力の光景が見られる。飛行機が離陸する際には、その後方気流を体感できるほどだ。そのため、飛行機愛好家たちのお気に入りスポットとなっている。
このビーチは、大型旅客機が通過する時にかなりの爆風が生じるため非常に危険である。2017年にはその爆風にあおられて転倒し、死亡者が出ている。
(via Wikipedia)
その危険性からビーチには警告看板が掲示されており、「出発機と到着機のジェット噴流により、命の関わる傷害や死につながることがある」という文言で注意を促している。
(via wikipedia)
またこの空港の滑走路はたった2,179mしかない。大型旅客機の安全な離着陸には、2500mを要することを考慮すると、かなり短いといえる。こうなった背景には、元々この空港が小型飛行機の乗り入れだけを予定して建設されていたためだ。だが、観光ブームの訪れともに大量の観光客をさばくため、大型旅客機もこの滑走路を使うようになっていった。
5.パロ空港(ブータン、首都ティンプー)
(via Wikimedia )
パロ空港は、ブータンにある4つの空港の中で唯一の国際空港である。標高が2,237mと高く、山々に囲まれた谷間に位置している。空港を囲む最も高い山の標高は、5,537mに達する。
この立地が離着陸を非常に困難にしており、選ばれた一握りのパイロットしか滑走路の飛行資格が与えられていない。2016年時点では、8人しかいないという。
複雑な地形のため、パイロットの目視による飛行が重要となるので、飛行可能時間は日の出から日没までに制限されている。
6.ジブラルタル国際空港(イギリスの海外領土ジブラルタル)
(via wikipedia)
ここが「ヨーロッパで最も危険な空港」と言われるのは、滑走路に幹線道路が横断しているためだ。そしてこの道路は、ジブラルタルからスペインの国境をつなぐ唯一の道路であるため、交通量がそれなりにある。だが離着陸時は遮断機が下りて、車両や歩行者の通行ができないようになっているので、車両が勝手に侵入してしまうことはない。
(via Wikimedia )
また滑走路の側には巨大な岩山「ザ・ロック」があり、これを避けて滑走路に進入しなければならない。そしてこの空港は悪天候時でも安全に着陸できる計器進入システムが一部未整備であるため、目視飛行での着陸が迫られるのだ。
(via wikipedia)
7.マデイラ空港(ポルトガル、マデイラ島)
(via Wikimedia)
海岸からせり出した滑走路が特徴的な空港である。この海岸から突き出た部分は、埋め立てではなく、高さ70mもの柱180本で支えられている。元々の滑走路は1,600mしかなかったが、現在は柱型の拡張工事によって2,781mまで長くなり、以前より安全に、かつ大型の旅客機の離着陸が可能になった。
(via wikipedia)
だがそれでも滑走路の周囲は、崖と海に囲まれた立地のため、追加訓練を受けたパイロットしか利用することはできず、進入に高い操縦技術を要する滑走路となっている。
8.ナルサルスアーク空港(グリーンランド)
(via ScoopWhoop)
グリーンランド南部で唯一の国際空港であり、壮観な自然風景が楽しめる場所である。しかし様々な点で離着陸の難しい空港だとみなされている。
滑走路の長さが1,800mしかなく、中型の旅客機が乗り入れることを考慮すると短い。また冬季には滑走路に氷が張り、暴風雨・雪になる日が多く、視界が悪くなったり、乱気流の発生により機体のコントロールが難しくなったりする。強風によるあおりと凍った滑走路が原因で、コースアウトすることもありうるのだ。
これに加え、空港周辺には頻繁に噴火する活火山があるため、火山灰によるエンジンの停止・破損が引き起こされうる。
(via Steemit)
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