史上最悪レベルの大損害の失敗(失態7例)
過去に起きた信じられない失敗をご紹介していこう。
1. 13階建てマンションの倒壊(中国)
(via col381)
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2009年、上海にある建設中のマンション一棟が倒壊した。このマンションは、全11棟あるロータスリバーサイドのうちの一つで、すでに629戸のうち489戸が売却済みであった。住宅購入者には返金が行われたようである。
(via Deník)
倒壊によってマンション内にいた出稼ぎ労働者が、1人下敷きになって死亡した。しかし他の棟との間に十分なスペースがあったので、マンションの将棋倒しはまぬがれた。
倒壊の原因となったのは、マンションの駐車場から埋め立て用の土を採掘し、その土をマンションの側に積んでいたため、側方からの圧力で基礎が崩壊したとされている。
(via chinaorg)
またコスト削減と工期短縮のため、未熟な出稼ぎ労働者を使った上に、建築基準を遵守せず、品質の低い基礎を用いてたことも明らかになった。
2.駅のプラットホームに入らなかった2000両の電車(フランス)
(via BT)
フランス国有鉄道が2014年に、大きなヘマをやらかした。およそ2200億円で購入した新型電車2000両が、予想していたよりも幅広の車両だったため、駅のプラットホームに入らなかったのである。
一応、プラットホームのサイズは測って設計していた。だが新しいプラットホームのサイズであって、フランスの駅に数多くある古いプラットホームではなかった。新しいプラットホームを基準にして車両のサイズが設計されたため、古いプラットホームは幅が狭く、新車両が通過できなかったのだ。
このままでは車両が運用できないため、プラットホームの幅を広げる工事が行われることになった。この追加工事による損失は、少なくとも7.4億円に上るという。
3.重すぎて再浮上できない潜水艦(スペイン)
(via dailymail)
スペイン政府が約240億円をかけ建造していた巨大潜水艦に、致命的なミスが完成間近で見つかった。船体の重量が70トンほど重いために、浮上できない恐れが出てきたのだ。
このミスは設計の初期段階で、エンジニアが計算を誤り、小数点の位置を打ち間違えたことに原因があった。本来なら別のエンジニアが計算の見直しをするべきだったが、誰もそれをしなかった。
(via wikimedia)
スペイン政府は、手に負えなくなったこの問題をどうにかするため、アメリカ海軍の潜水艦製造を担うジェネラル・ダイナミクス社に、約12億円で修正の援助を依頼した。その結果、船体を5~6m延長することで浮力を増加させ、重量問題を解決することが決まった。
予想外の問題が発生したため、元々この潜水艦は2015年に配備予定であったが、完成はかなり伸びて2022年9月以降になっている。
4.アラスカのあまりにも安すぎる売却(ロシア)
(via pixabay)
かつてアラスカは、ロシアの植民地であった。しかし1853~1856年にイギリス同盟国軍との間で行われたクリミア戦争により、ロシアは大打撃を受けて経済的に疲弊し、また将来イギリスなどの敵国がアラスカを侵略した際に、対応が困難になるとされたため、アラスカの売却を決めた。
(via wikipedia)
しかしロシア側はアラスカの価値を過小評価していた。アメリカ側にたった720万ドルで売却したのだ。現在の価値にすると約130億円であるが、アラスカの面積は日本の国土の約5倍だ。サッカーグラウンド1つ分の敷地あたり30円ほどなので、いかに格安か分かるだろう。
(via Wikimedia )
ロシアは当時、アラスカが氷に覆われた何もない土地だと考えていたが、実際にはそうでなかった。1867年には金鉱が、1960年代には北アメリカ最大の油田が発見されたのである。
この油田の採掘量は1日約6300万リットルに達し、アラスカの歳入において全体の80%以上を占めるようになった。また水産資源も豊富で、特にサーモンやカニ、スケトウダラの漁獲量が多く、日本のスーパーでもよく見かける。
(via National Park Service)
こうしてかつて130億円で購入されたアラスカは、現在では年間約5000億円の価値を生み出すまでになったのだ。
5.開通後3日で閉鎖。ダンスするミレニアム橋(イギリス)
(via wikipedia)
ロンドン中心部のテムズ川にかかるミレニアム橋は、約25億円をかけて建造され、2000年6月10日にオープンした。オープン日にはエリザベス女王も訪れ、盛大な開通式になったが、その2日後に閉鎖が決定された。
閉鎖の理由は、大勢で橋を歩くと大きな横揺れが発生したためだ。以下の動画で見ると分かるように、通行人の足踏みに合わせて激しく橋が揺れている。
この橋は幅の狭い吊り橋であり、多少の揺れは予測されていた。また開通日は風が強かった。だがこれらを考慮に入れても、実際に生じた揺れは想定を上回る大きなものだった。
安全のため、閉鎖後に振動を減らすダンバーの取り付け工事が行われることが決定し、追加費用に約7億円が計上された。再開通は2002年2月で1年以上を要したが、現在はロンドンの人気スポットになっている。
6.ちょっとしたミスで失われた350億円の火星探査機
(via wikipedia)
マーズ・クライメイト・オービターは、ロッキード社が製造し、NASAが打ち上げた火星探査機である。1998年の打ち上げ当初、この機体は史上初の地球外気象観測機になる予定だった。
(via wikipedia)
だが打ち上げから9ヶ月半後、火星への軌道侵入に失敗し、火星の大気の中で燃え尽きた。350億円が無駄になってしまった。その原因は、単位の間違いだった。
軌道侵入の計算を行う際に、ロッキード社のシステムではヤード・ポンド法の単位を、NASA側ではメートル法を使っていたのである。NASA職員は、ロッキード社から受け取ったデータが既に単位変換されたものだと思い込み、チェックもせずに機体の操作を行った。
(via wikipedia)
本来なら火星の約150 km上空の軌道に進入するはずだったが、57 km上空の軌道に進入した。上空85km以下では、火星の大気の圧力と抵抗により破壊される運命にあったたため、この機体は既に消失したとされる。
7.橋の一部が崩落。聖水大橋(韓国)
(via wikipedia)
韓国ソウルの漢江にかかる聖水大橋は、建造からわずか15年で突然崩壊した。事故が起きたのは1994年10月のラッシュアワー時で、橋の中央部分が50mに渡って崩れ落ちたのである。
(via wikipedia)
崩落によって通行中の乗用車、市内バスなどが巻き込まれ、32人が死亡し、17人が重軽傷を負った。事故の原因は、施工時の手抜き工事であった。橋桁を支える構造物の溶接などがきちんとなされていなかった。
橋は修繕される予定であったが、橋自体に脆弱性があることが分かったため、元の橋と同様のデザインで建て直され、1997年に再開通している。
ディスカッション
コメント一覧
なぜ予測できなかったのか…
小さなミスはとても大きな事態を招くのですね…