宇宙の恐ろしい事実
宇宙に関する、興味深くて恐ろしい事実を5つご紹介していこう。
1.宇宙飛行士は、回収された尿と汗を飲まなければならない
(via Canadian Space Agency)
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宇宙空間において、水は貴重で限られた資源だ。そのため国際宇宙ステーション(ISS)では、排出されるほぼ全ての水分がリサイクルされている。乗員の汗や吐き出される呼気、そして尿やシャワーに使われた水、飼育されているネズミの尿さえも。
そのリサイクル率は93%に達しており、飲料水に関してはほぼ自給自足が可能になった。2015年からISSで1年間過ごしたスコット・ケリーは、その間に730リットルのリサイクルした尿と汗を飲んだそうだ。
(via NASA)
とはいえ、排泄物から再生された水を飲むのは、かなり気が引けるかもしれない。だがこの水は、私達が飲んでいる飲料水よりもずっと清潔であり、味はペットボトルの水と変わらないそうだ。
2. 超巨大なブラックホールが、時速800万kmで宇宙空間を暴走している
(via express)
ブラックホールは、光が抜け出せないほど強力な重力で、あらゆるものを飲み込んでしまう。そしてほとんどの銀河の中心には、このブラックホールが存在している。私達が暮らす天の川銀河にも、太陽の400万倍の質量を持つブラックホールがその中心に居座っている。
しかし2017年、ハッブル宇宙望遠鏡はその王座から抜け出した超大質量ブラックホール(3C 186)を発見したのである。その質量は太陽の10億倍であり、時速800万kmであらゆるものを飲みこみながら移動している。このスピードは、月から地球までの距離を3分で到達するほどだ。
(via NASA)
だが安心してほしい。このブラックホールは、地球から80億光年も離れた場所にあるので、地球が飲み込まれることはありえない。
3.強力な太陽フレアは、世界に計り知れない損害を与える
(via wikipedia)
太陽フレアは、上記写真のように太陽の表面で起きる爆発である。小規模なものなら1日に3回ほど、大規模なものは一定の周期で発生する傾向がある。
太陽フレアは極めて高温のプラズマが放出されるのだが、このプラズマが地球に届くほど大規模なフレアが起こると、地球の磁場が乱れ、大変な被害が起きると予測されている。磁場の変動は誘導電流をもたらし、その電流が送電線に混入して、世界的な停電が起きるのだ。
(via NASA)
もしその電流が非常に強ければ、停電だけでなく、高圧変圧器などが故障して電力システムが破壊される。大型の変圧器は調達に年単位の時間がかかり、完全な復旧には4~10年がかかると言われている。その被害額はアメリカだけで100~200兆円に達する。
(via wikimedia)
もし、過去500年内で最も強いと言われる1859年規模の太陽フレアが現代に起きた場合、社会に大混乱が生じ、文明は19世紀初頭に戻ると予測されている。ちなみに1859年当時は、電子機器はほとんどなかったから、電報用の鉄塔が火を噴いて使えなくなった程度で済んだ。
4.ガンマ線バーストは惑星を破壊するほどの能力がある
(via wikimedia)
宇宙のどこかでは、ガンマ線バーストという爆発が1日に数回起きている。その威力は、太陽が100億年間で放出するエネルギーを上回る。
たとえ地球から数千光年離れた場所でガンマ線バーストが起きたとしても、オゾン層の破壊により地球の生命体を根絶させるほどの事態が予想される。ある研究では、ガンマ線バーストが起こるせいで、全ての銀河のたった10%しか生命体が存在できないという。
このバーストは、超巨大な恒星が一生を終えるときに発生すると考えられる。その恒星が爆発を起こし、ブラックホールが形成される際に放出されるエネルギーなのだ。あるいは巨大な恒星の進化系である中性子星が、別の中性子星と衝突してブラックホールが出来たときである。
(via wikipedia)
しかし今まで検知されたバーストが、人類に害をもたらしたことはない。それらのバーストは、私達の住む天の川銀河の外で起きていて、何十万年光年も離れていたからだ。
(via wikimedia)
それに加え、これはとても珍しい現象であり、天の川銀河内で起こるのは数百万年に1回とされている。たとえ天の川銀河で起きたとしても、この銀河は10万光年と非常に広いから、地球に影響が出るほど近くで起こる可能性は低いと言われている。
5.宇宙はいつか終わりを迎える
(via NASA)
宇宙がどのような終焉を迎えるかについては、3つの仮説が提唱されている。その1つ目は「ビッグリップ」であり、宇宙の膨張速度があまりに早くなりすぎるために、あらゆる物質がばらばらになってしまう仮説だ。
(via futurism)
2つ目は、ビッグクランチ&ビッグバウンスだ。現在のところ宇宙は膨張し続けているが、この仮説ではいつか宇宙が収縮に転じるという考えである。そうなった場合、銀河同士は融合し、あらゆる星や惑星が衝突して圧縮され、最終的には極めてコンパクトで熱く、濃密な宇宙が出来上がる。この宇宙は、ビッグバンが起きる前の状態と似ている。
(via wikimedia)
この究極的に収縮した宇宙でビッグバンが引き起こされ、新しい宇宙が誕生すると考えられる。この仮説においては、宇宙の膨張、収縮、ビッグバンのサイクルが繰り返され、新しい宇宙が永遠に誕生し続けることになる。
(via kickstarter)
3つ目は熱的死である。これは、宇宙が無限の時間を経ると、絶対零度に極めて近い温度になり、あらゆる宇宙の活動が停止するという仮説である。この仮説は「孤立系のエントロピーは増大する」という熱力学第2法則に基づいており、一番可能性が高い宇宙の終わり方である。ただし、どの方法で宇宙が終わるにしても、地球の消失よりもずっとずっと後のことだ。
ディスカッション
コメント一覧
2番の記事の、ブラックホールの移動速度が月から太陽まで3分の件、おかしくないか?
ご指摘ありがとうございます。「月から太陽」ではなく、「月から地球」の距離でした。修正させて頂きました。
宇宙でどんな事が起きようがそれは地球が亡くなった後に起こるのか。怖いのは太陽フレアだ。
やっぱり宇宙ってロマンよなぁ
2番
「このブラックホールは、地球から80億光年も離れた場所にあるので、地球が飲み込まれることはありえない。」
本当にそうでしょうか?
宇宙の力は計り知れません。
自然は人智を余裕で超えてきますよ。
地球が飲み込まれる可能性は0ではありませんよ。