遺体を流れ星に。驚くべき遺体処理(散骨・埋葬法)

日本において、遺体はたいてい火葬され納骨されることになるが、海外では土葬だけでなく、かなり変わった遺体処理がある。今回は5つの風変わりな処理方法をご紹介していこう。

1.流れ星になる

(via pixabay)

スポンサーリンク

もしあなたが宇宙にロマンを抱いているなら、最後に流れ星になってみたいと思わないだろうか。エリジウムスペース社では、およそ25万円前後で、宇宙に遺骨を送ることができる。遺骨は特別な容器に入れて人工衛星に積載し、ロケットで飛ばす。

【人工衛星に遺骨をのせる】

(via nasa)

人工衛星には、記念として自分の名前を刻み込むこともできる。打ち上げられた人工衛星が宇宙空間へ到達すると、地球の軌道を何度も周回する。そしてこの衛星は役目を終えると、大気圏に再突入して燃え尽き、その遺骨は流れ星のように空を照らすのだ。

【人工衛星は流星のごとく燃え尽きる】

(via needpix)

日本でも銀河ステージ社がこのような宇宙葬を行っており、商用ロケットを用いて、ほぼ毎年アメリカで打ち上げている。銀河ステージでは、人工衛星に載せるタイプだけではなく、遺骨を月面までロケットで運んだり、宇宙の深淵まで旅をし続けたりするプランもある。

2.ダイヤモンドになる

【遺骨のダイヤ】

(via algordanza)

人体は原子レベルで見ると、重量にして18%が炭素である。そしてこの炭素は鉛筆の芯(黒鉛)にもなるが、ダイヤモンドにもなる。ダイヤは自然環境下において、地中の奥深くで高温・高圧により数億年もの時間をかけて形成される。

だがスイスのアルゴダンザ社ではたった3ヶ月ほどで、遺骨から抽出した炭素により合成ダイヤを作り上げる。しかも物理的・光学的な性質は、天然ダイヤを完全に再現している。その色は、少し青みがかっていることが多い。なぜなら、骨の形成に関わる微量元素であるホウ素によって着色するためだ。

(via algordanza)

アルゴダンザ社のCEOによれば、まれにホワイトやイエロー、ブラックのダイヤができることもあるそうだ。人と同じようにダイヤにも個性が現れ、一つとして同じものはないと言う。

【様々なカットが可能】

(via algordanza)

出来上がったダイヤは、未研磨の原石のまま、あるいはお好みのカット・研磨後に依頼者へ渡される。年間の依頼数は800~900件に及んでおり、特に日本での顧客が多く、全体の25%を占めるほどになっている。お値段はダイヤの大きさによって、40万~250万円となっている。

3.遺体をフリーズドライで堆肥へ

【フリーズドライで粉々に】

(via indiatvnews)

フリーズドライといえば、保存食や非常食などでよく目にする製法である。具体的にその方法は、水分を含んだ食品を-30℃程度で急速に凍結し、更に減圧して真空状態にし、水分を昇華させ乾燥させている。

この手法を遺体処理に応用するアイディアが、スイスの生物学者スザンネ・ワイムマスクにより考案された。

【スザンネにより考案されたエコな遺体処理の手順】

(via bonesdontlie)

彼女が提案したプロメッションという遺体の処理方法は、遺体を専用の減圧室に入れ、-196℃の液体窒素に浸して急速に冷やす。そうすると遺体は非常にもろくなるので、振動を与えただけで数分以内に粉々になる。その後、低温を保ったまま減圧して真空状態にし、水分を飛ばす。

この粉末状の遺体を生物分解性の棺に入れ、土の中に埋めておけば、6~12ヶ月程度で細菌によって分解され、良質な堆肥に変わるという。

(via funeral-cover-quotes)

エコな葬儀方法として注目を浴びており、2011年にはスウェーデンでの導入が決定され、年間1500人分の埋葬が行われる予定だった。だが延期に延期を重ね、この葬儀の商業化を目指して設立した会社が倒産したことで、現実になることはなかった。

4.木になる

(via Capsula Mundi)

イタリアのデザイナーらが考案したカプセル・ミンディは、従来の方法に代わる環境に優しい卵型の棺を用いた埋葬である。この卵の中に、体を折り曲げた遺体を入れて土に埋め、その卵の頂きに植樹するのだ。

卵はバイオプラスチック素材で出来ており、微生物によって数ヶ月~数年をかけて分解されていく。そしてその中にある遺体も時間をかけて分解され、土に変わる。この土は植樹された木の栄養となり、その一部となるのである。

(via dezeen)

また卵にはGPSトラッカーが設置され、家族や親戚が埋葬された場所を容易に確認できるようにする予定だという。

5.標本になる

(via Paul Stevenson)

死んだ後でも目立ちたいという人は、グンター・フォン・ハーゲンスの標本に応募してみるといいかもしれない。この標本は「人体の不思議展」で展示されており、実物の人間の死体を樹脂加工したものだ。

【様々なポーズの標本が展示される】

(via buckley)

この遺体保存技術はプラスティネーションと呼ばれており、1978年にドイツのグンター・フォン・ハーゲンスによって生み出された。従来の標本と比べ、臓器や筋肉が顕微鏡レベルで細胞組織を保ったまま標本化されるため、より生々しい外見を長期間保つことができるようになった。

グンターは、この遺体を見せる展示会を世界各地で行っており、そのインパクトから話題を呼び、数多くの来場者を集めている。彼自身も自分が死んだ後は、標本にして展示してもらうことを願っている。また彼だけでなく、既に1万7千人がこの手法を用いた標本化の契約を結んでいるのだ。

スポンサーリンク



雑学

Posted by uti