信じられないほど大きい。かつて実在した超巨大ほ乳類
今回は先史時代に実在した、驚くほどに大きなほ乳類をご紹介します。全部で13種類です。
1.巨大ウサギ ヌララグス
(via gurdian)
スポンサーリンク
およそ500万年前に現れ、鮮新世の半ば(300万年前)に絶滅した巨大ウサギ。
スペインのメノルカ島に住んでいることから、「メノルカ・ラビット」との呼び名もあります。これほど巨大化したのも、この島に外敵が存在せず、素早く動ける必要がなかったからと考えられています。
今のウサギとはだいぶ違う
(via Wikipedia/Goyo Arriaga)
全長は90cmで普通のウサギの2倍ほどあり、体重は最大で23kgと6倍以上あります。また、体の大きさの割に、頭や目が小さく、ウサギのチャームポイントである耳はほとんど目立ちません。そして今いるウサギのようにジャンプすることも出来ませんでした。
2.巨大ラクダ ティタノティロプス
(via Palaeos)
およそ1030万年前から30万年前に生息していた巨大なラクダです。体高は約3.5mで、現在のラクダよりも2倍ほど大きいとされています。
(via Wikipedia)
現在のラクダは、アジアとアフリカの一部地域でしか見られませんが、この種は北アメリカに生息していたことが分かっています。現生の種とは大きさ以外ほとんど変わりありませんが、古代種は長くて鋭い犬歯が発達しています。
3.巨大キツネザル アルカエオインドリス
(via wikipedia)
「マダガスカルで史上最大の霊長類」と言われるキツネザルです。現在のゴリラのオスと同じくらいの大きさで、体重は200kg近く、身長は1.7mほどあったとされます。
(via Deviantart/ Bran-Artworks)
紀元前350年頃に、マダガスカルへ人類が入植し、生息地の破壊と狩猟を行ったことが原因で、この種は絶滅しました。
ナマケモノのような生活を送っていた
(via wikipedia)
現在のキツネザルのような活発さのカケラも無く、非常に穏やかで、ゆっくりとした動きだったと考えられています。現在のナマケモノと同じく、ほぼ移動することをせず、主食の葉っぱを食べに樹上や地上を行き来していたとされます。
4.巨大サル ギガントピテクス
(via Flickr/Lindsay Holmwood)
ギガントピテクスは、現在いるゴリラの2倍の大きさを誇る史上最大の霊長類です。身長は3mを超え、体重は最大540kgに達するとされています。現在の中国、インド、ベトナムにあたる場所で数百万年前に誕生し、およそ30万年前に絶滅しています。
(via wikimedia)
他のサルと同じく四足歩行で、かつては人類の祖先であると言われていましたが、現在はオランウータンの近縁種だと考えられています。
パンダと同じような食性だった
(via Deviantart/HodariNundu)
ギガントピテクスは、竹林をすみかにしていました。残された化石には、固いモノをすりつぶすのに最適な歯があり、パンダと似たような歯の構造をしていることが明らかになっています。
このため、ギガントピテクスの主食は、パンダと同じく竹であり、草食動物であったと考えられています。
ちなみに、現在も度々目撃される未確認生物の「ビッグフット」などは、この種の生き残りだと主張する人もいます。
5.巨大ハリネズミ ディノガレリックス
(via sci-news)
全長60cm、体重4.5kgほどのハリネズミの仲間ですが、ハリはありません。細長い頭骨が特徴的で、その長さは20cm近くに達し、全長の1/3を占めます。
現在のイタリアがある場所で、1000万年~700万年前に生息していたとされています。食べ物は主に昆虫で、トンボや甲虫、コオロギを食していました。
(via wikipedia)
これほど巨大化したのは、当時のイタリアが島であり、外敵がいない生活環境のためだとされています。
6.巨大ビーバー カストロイデス
(via Wikimedia)
史上最大のビーバーで、「ジャイアントビーバー」とも呼ばれています。体重は90kg以上、身長も2.2m前後と、げっ歯類の中でも極めて大きい種です。更新世の頃(250万年前)に誕生し、およそ1万年前に絶滅したとされています。
(via RETROactive)
生態は現在のビーバーと変わらないと考えられています。歯は約15cmまで成長し、木をかじりとって大量に食べていたとされます。
現生のビーバーとの一番の違いは、脳の大きさです。カストロイデスは、体の割りに脳が小さかったとされるため、現在のビーバーよりも環境に上手く適応したり、複雑な思考や行動ができなかったと考えられています。
7.巨大イノシシ ダエオドン
(via wikimedia)
2900万年~1900万年前の北アメリカに生息していた巨大イノシシです。全長は3mほどで、体高は1.8mほど、体重は900kg近くあったとされています。
(via DeviantArt/bLAZZE92)
歯の形と並びから、雑食性で植物の根や死んだ動物の肉を食べて生活していたとされます。
8.巨大ナマケモノ メガテリウム
(via wikimedia)
最大で体重4トン、身長6mに達する超巨大なナマケモノです。当時生きていたマンモスなどに匹敵する大きさで、同じ時代に陸上を闊歩していました。
(via wikipedia)
メガテリウムは南米で164万年に誕生し、1万年前ごろに人類の行き過ぎた狩猟が原因で絶滅しました。
生活様式は今のナマケモノと大分違う
現生のナマケモノとの相違点は、樹上で生活していなかったということです。メガテリウムは、地上に二本足を着けて立ち上がり、その高さを利用して樹上の葉っぱを食べていました。
これほど巨大なため、必要な食事量は莫大で、1日のほとんどを食事に使っていたとされています。その他にも、巣穴は別々でしたが、集団生活を送っていたことも分かっています。
9.巨大アルマジロ グリプトドン
(via Wikipedia)
全長が3.3m、体高1.5m、重さが2トンに達する巨大アルマジロで、サイズはフォルクスワーゲンのビートルと同じくらいです。260万年前から1万年前ごろまでの南米に生息していたとされます。
(via Everything Dinosaur)
体を覆う厚さ2.5cmの装甲は、カメの甲羅のように外敵から身を守るのに役立っていました。また巨大で柔軟な尻尾は、敵から襲われたときや同種の争いが起こった時に、この尻尾を振り下ろして追い払ったり、戦っていたとされています。
(via wikipedia)
人類が絶滅に追い込んだ種
クリプトドンと人類が共存していた期間は、少なく見積もっても4000年とされています。その期間に人類は、グリプトドンの装甲板を悪天候時のシェルターとして使っていました。
それだけでなく食肉としての狩猟が行われていたことも分かっています。これらに加え、気候変動が重なったことで、絶滅に至ったとされています。
10.巨大クマ アルクトテリウム
(via Soibelzon)
南米に生息していた「史上最大のクマ」です。体重2トンを超え、身長は4m近くになります。現生のクマの最大種であるホッキョクグマが、最高でも体重1トン弱であるので、2倍以上の大きさです。
ここまで成長したのは、誕生した200万年前ごろに、競争関係になる他の巨大種がおらず、食べ物を独り占めすることができたからだとされています。
11.巨大サイ エラスモテリウム
(via Dmitry Bogdanov)
マンモスに匹敵する全長6m、全高2.2mの大きさです。およそ200万年前、ロシア等のユーラシア地域に分布していたサイの仲間です。
(via DinoAnimals)
長さ90cmに達する非常に大きなツノを持ち、このツノで敵を追い払ったり、雪をかき分けたり、植物の根や水を摂取するのに穴を掘ったりしていました。また、今のサイと異なり、防寒のために厚くて毛深い体毛を有していました。
12.巨大肉食獣 アンドリューサルクス
(via wikia)
アンドリューサルクスは、最大全長4m、体重450kgで「史上最大級の陸生肉食獣」とも呼ばれています。現在のモンゴルにあたる場所で、およそ4500万年~3600万年前に繁栄していたとされています。
その特徴は極めて大きな頭で、その長さは80cm以上に達し、陸上肉食ほ乳類では最大の大きさです。それゆえアゴの力はかなり強く、どんなものでも噛み砕くことが出来たと言います。
(via wikipedia)
見た目は怖いが、人間にとってそれほど危険でない肉食獣
(via American Museum of Natural History)
アンドリューサルクスの歯の構造を見ると、肉を切り裂くような形をしておらず、強いアゴヂカラで噛み砕くのをもっぱらにしていたと考えられています。そのため、動物の肉はあまり食べずに、貝類やエビ、カニなどの甲殻類が主食であった可能性が高いとされています。
動物の肉を食べるとしても、敵を襲って仕留めることが困難なので、死んだ動物の肉をあさっていたとされています。
13.史上最大の草食動物 パラケラテリウム
(via incolors)
最大体重20トン、全長8.7m、体高5.5mで「史上最大の陸生ほ乳類」であり、「史上最大の草食動物」としても知られています。およそ3600万年から2400万年のユーラシア大陸に分布していたとされます。
(via wikipedia)
こう見えて、サイの仲間
ツノが無いサイの仲間で、キリンのように長い首を伸ばして、樹上の高い位置にある葉っぱや枝を取って食べていました。生活様式がサイやカバと似ており、日中の暑い時は水遊びや泥遊びをして体温調節を行い、夜になるとエサを求めて行動を開始します【薄明薄暮性】。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません