人類が聞いた史上最大の音
(via wikimedia)
1883年8月27日、地球はこれまでに人類が観測したことがないほどのノイズを出した。
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その音は午前10時2分、インドネシアのジャワ島とスマトラ島にあるクラカタウ島で発生した。この音は、約2000km離れたアンダマン・ニコバル諸島で銃弾が発砲したような音として聞こえ、3200km離れたオーストラリア西部でも、そして4800km離れたインド洋上のモーリシャスでも観測されたのである。
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これらの距離は想像もつかないほどだ。たとえば北海道の端からこの音が鳴ったとしても、沖縄県の端まではっきりと聞こえたということなのだ。(直線距離で2500km)。そしてその音はフィリピンの南端まで届いたことになる。(約4700km)
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音速は時速1225kmであるから、一番離れていた人は実際に音が鳴ってから約4時間後に、初めてこの音を聞いたことになる。これほど遠くから音が観測された事例は、今までにない。観測地点は50ヶ所以上におよび、その音が聞こえた範囲は地球の面積の1/13に達した。
音の発生源は、クラカタウ火山の大噴火
(via allthatsinteresting)
クラカタウ火山が起こした噴火は、あまりの威力のため島を分断し、噴煙の高さは70kmの中間圏に達して、火山灰が地球を12日で1周した。
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そしてこの爆発は、高さ30mに達する巨大津波を引き起こした。この津波で、165の村が津波にのまれて破壊された。当時インドネシアを支配していたオランダによる統計によれば、死者数は3万6417人に上った。別の統計では、12万人以上とも言われている。
(via wikimedia)
爆発時、クラカタウから約60km離れた場所では、イギリス船のノーマンキャッスルが航行していた。その船長は、この時のことを航海日誌に以下のように記録していた。「爆発がとても強烈であったため、船員の半分は鼓膜が破れた。私の最後の思いは、愛する妻と一緒にいることだった。私は審判の日が来たと確信していた」
(via wikipedia)
想像を超える音の大きさ
160km離れたジャカルタのガス工場に設置された気圧計は、爆発時に前例のない上昇が見られた。音の強さで換算すると、172デシベルという凄まじいノイズだった。具体例を出すと、間近で聞いた車のクラクションの音が110デシベルで、それ以降10デシベル上がるごとに、体感で2倍うるさく感じる。
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そして人間の我慢できる痛みのしきい値が130デシベルとされ、間近で聞いたジェット機の離陸時のエンジン音が150デシベルであり、このレベル以上だと鼓膜が破裂する。
160km離れた場所でさえ、ジェットエンジンの4倍もの大きな音なのだから、この噴火がいかにすさまじい音であったか想像できるだろう。
(※広島と長崎に投下された原子爆弾の爆発音よりも、約1.3倍大きかったと推測されている)
上の動画は、ニューギニアのタブルブル山で2014年に起きた噴火を海上でとらえたものだ。クカラタウの噴火もこのような銃弾の射撃音であったと思われる。
この動画では、噴煙の放出から約13秒後に聞こえているので、音速から計算して、ボートと火山はだいたい4.4km離れていたようである。クカラタウでは、これが約5000km離れた場所でも聞こえたのだ。
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わからんけど世界一大きな音はツングースカ大爆発じゃなかったっけ?